ペットロスの話し①で出てきたグリーフスパイラルの局面について、ここでは少し詳しくお伝えできればと思います。
少し振り返ると、小林の所属している日本グリーフ専門士協会ではグリーフには7つの局面があると定義しています。
その7つとは
・混乱
・否認
・怒り
・抑うつ
・諦め
・転換
・再生
です。
それでは1つずつ見ていきましょう。
☆『混乱』について
「混乱」は秩序なく入り乱れ、物事が一緒になって訳がわからなくなる状態です。
大切な存在の死に接し、極度の哀しみを受け止められない局面で、本人も何に揺り動かされているのか分かりません。
この時期には自らの置かれている状態を冷静に知ることはとても困難です。
そして周囲の人達の非言語の態度にとても敏感です。
☆『否認』について
「否認」は苦痛を避けるために事実を認めない防衛反応のひとつです。
降り掛かった出来事を受け入れられない状態であり、不安や不快から逃れようとしている局面です。
この時期は周りを疑い警戒心が強くなります。
しかし「否認」は決して悪いことばかりではなく、辛い現実を受け止められない心の緩衝材として働き、悲しみに暮れる人を助ける局面とも言えます。
☆『怒り』について
「怒り」とは自分の想いが妨げられた時に起こる反応です。
事実を受け入れられず抵抗しようとする状態でもあり、時として爆発敵な感情として現れるのも特徴です。
身近な人、もしくは獣医療関係者に対して苛立ちや敵意という形で怒りをぶつけることがあります。
また怒りが罪悪感や自責の念として自分に向けられることもあります。
この場合感情を表に出せないことで心身の健康を大きく損ねるケースも少なくありません。
引き起こされる感情は自己を保ち回復へ向かうために必要な過程です。
また怒りは2次感情と言われていて、その裏には1次感情(寂しさ、悲しさ、悔しさ、落胆)があるのも大切なポイントです。
☆『抑うつ』について
「抑うつ」は大切な存在の死を突きつけられ、もう希望がないと気力や意欲を失うことです。
落ち込んでやる気が起きず、何に対しても無関心な状態になります。
気分が落ち込み活動を嫌うこの症状は決して特別なことではなく、自然な反応であることを知っておいて下さい。
回復のために人と距離をおくことを自らに許してあげて下さい。
食欲が落ちたり眠れなかったりすることは、グリーフで表れる反応として“ごく自然”なことです。
ただあまりに長く続く場合は医療機関の助けが必要かもしれません。
グリーフで表れる「抑うつ」と心の病気である「鬱」は少し違うものです。
似ている部分もあるし、まったく違う部分もあります。
☆『諦め』について
哀しい現実を忘れたい。
突きつけられた課題から逃げたい。
そんな思いが消える訳ではありませんが、大切な存在であるペットの死が不可逆と知らされ、受け入れつつある状態が『諦め』です。
死を事実として受け入れつつあるタイミングで現実的な考え方が出来るようになります。
次のステージのために体調を整えるための大切な時期でもあります。
☆『転換』について
亡くなったペットに対し、自覚して気持ちの整理を進めている状態です。
哀しみを感じながらも悲嘆を軽減する作業を始める段階ともいえます。
思い出の場所を訪れたり、供養をしたりと実際に行動を起こし、そのプロセスを通じて亡くなったペットや周囲の人と和解したり過去の過ちに対して償いをしたりする時期です。
哀しみを乗り越えるために思い出を捨てようと思う必要はありません。
新しい自分のアイデンティティが目覚める場合もあります。
活動的に見える場合もありますが、まだ哀しみの中にいます。
そんな時期が『転換』の時期です。
☆『再生』について
再生とは哀しみを上手に手放し自立した段階です。
決して哀しみがなくなるわけではありませんが、哀しみに囚われず自分らしく生きられるようになった状態といえます。
具体的には大切な存在の喪失に伴う
・社会
・友人
・家族
・意味
・自然
・思想
・亡くなったペット
・使命
との“断絶感”が変化し“結合感”を強く抱けるようになった段階です。
これまでと異なる繋がりを得ることで新たなセーフティーネットが構築されたといえます。
亡くなったペットとの関係を再構築することで自分の人生に意味づけできる方もいます。
周囲への貢献に目が向き、新しい友人や仕事を得ることで、今まで自分らしい人生を歩んでいなかったと自覚し、大きな社会的使命を感じる方もいます。
このようにグリーフの中にいる最中は様々な感情に振り回されます。
これは本当に辛いですよね。
でもいつかは必ず辛い状態を抜けて、哀しみと共に生きていくことができます。
今辛い状態にいる方は「自分はこの局面にいるのかな?」という指針にしてもらえればと思います。
dogstarでは当店のお客様限定でペットロスの只中にいる方向けに“わかちあいの会”という場を提供しています。
わかちあいの会とは、亡くなってしまった愛犬への想いを語る場のことを言います。
今感じている想いを心のままに語って下さい。
語ることで今まで気が付かなかった本当の気持ちに気が付くかもしれません。
また、他の参加者の話を聴くこともとっても大切な体験になります。
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Lineにご登録後に詳しいお話をさせて頂きます。
(2022.9.13)
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